2005年12月16日(金)00:04

EU首脳会議は中期予算問題の合意に向けて仕切り直し

ブリュッセル(AP)

EU中期予算をめぐる激しい対立で、EU各国首脳は(今日)金曜日、合意に向け仕切り直しをする意向である。木曜日の晩にブリュッセルで行われた最初の協議は、歩み寄りなく物別れに終わった。EU議長を務めるイギリスのトニー・ブレア首相は引き続き厳しい交渉になるとの予測を表明した。合意の余地は限られていると首相は認めた。

ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相によれば、イギリスは金曜日の午前中に新たな妥協案を発表する意向であるという。ブレア首相は合意の基盤は与えられていると強調した。オランダのヤン・ペーター・バルケネンデ首相も同様に、難しい交渉になると予測した。

スウェーデンのイェーラン・パーション首相は合意の可能性を50%対50%と見積もった。パーション首相も「大きな意見の隔たり」があると述べた。しかし今回のブリュッセル首脳会議で合意できなかった場合、来年に先送りしても解決が容易になるわけではないことはどの加盟国も承知している、と首相は語った。

ユンケル首相によれば、ブレア首相の最新の修正案は大多数の拒絶にあったという。「イギリスの拠出金割引は、私たちが拡大のコストを負担できるよう、さらに減額される必要がある」とユンケル首相はあらためて要求した。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は最初の会議を終えて、議論の経過についてコメントを控えた。メルケル首相は協議の始めに、私は合意を求めるが、どのような犠牲も払うというわけではないと述べた。今回の会議はメルケル首相にとって最初のEU首脳会議となる。

イギリスは次期予算期間のEU歳出を加盟国の国民総所得比で1.03パーセントに抑える意向である。しかし1984年からイギリスに認められている拠出金割引については、80億ユーロの減額しか見込んでいない。従来案に比べた歳出削減は、新規加盟国に対する構造改革補助金の削減で行うとしている。

予算問題の打開にはとりわけブレア首相とフランスのジャック・シラク大統領の合意が必要と見られる。議論を呼んでいるのは、イギリスの拠出金割引のほかにフランスなどが恩恵を受けているEUの農業支出がある。しかし農業予算はすでに2013年まで確定している。

そのためイギリスは予算構造を2008年から2009年にも原則から見直すよう強く主張している。フランスがこれを受け容れる可能性があるとすれば、予算改革を2014年以降に実施するという条件がついた場合に限られる。しかしブレア首相は早期改革の可能性だけは確保したい意向である。予算問題はルクセンブルクが議長を務めた6月の首脳会議で決裂している。

原題:Zweiter Anlauf zur Einigung im Finanzstreit beim EU-Gipfel




トップへ戻る